中学生・高校生の新型コロナウイルスワクチン接種について
2021年8月29日
和泉市でも18歳未満の方に新型コロナウイルスワクチン接種券が既に送付されており、今後、順次接種予約が始まることが予想されます。中学生・高校生のお子様をお持ちでワクチン接種をご検討されているご本人及びご家族におかれましては、以下の内容をご一読いただいた上で接種予約をして頂きたいと存じます。
若年者における一般的な新型コロナウイルスワクチンの接種の副反応としては、頭痛、発熱、全身倦怠感の頻度が高いことが報告されております。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/qa/detail/qa_06.html
https://www.covid19-yamanaka.com/cont5/80.html
アナフィラキシーの頻度に関しては、治験段階での発症は報告されておりませんが、治験参加者(2260人)が少なく今後の詳細な報告が待たれます。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2107456?query=featured_home
接種にあたっては、メリットとデメリットを養育者と本人が充分に理解していることが大切です。日本小児科学会では、ワクチン接種の意義が大きいとの見解を示しております。
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=374
https://www.jpeds.or.jp/modules/news/index.php?content_id=823
若年者での接種において、注意するべき副反応としては、急性心筋炎の頻度が高いことが挙げられます。この合併症の頻度としては、2回目の接種後4-5日経過してから、胸痛、動機、息切れなどの症状で発症することが報告されております。しかし、新型コロナウイルス感染後合併症として認める急性心筋炎の頻度と比較して、新型コロナウイルスワクチン接種後に発症する急性心筋炎の頻度ははるかに低いことが報告されております。そのため、厚生労働省及び日本循環器学会は、ワクチン接種により感染の重症化予防を図るメリットの方が大きいとの見解を示しております。
http://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000796566.pdf
http://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0079.html
また、アメリカのケース・ウェスタン・リザーブ大学での研究結果も、新型コロナウイルスに罹患することよりもワクチン接種が安全であることを報告しております。
www.qlifepro.com/news/20210816/myocarditis.html
従来から小児は、新型コロナウイルスに感染しても軽症であるという認識が主流でしたが、デルタ株による新型コロナウイルス感染症患者増加に伴い、小児における重症化症例が報告されるようになりました。急激に小児の新型コロナウイルス感染が増加した米国では、既に350人以上の小児がCOVID-19感染により死亡したことが報告されております。
https://www.jpa-web.org/pediatric-related_information/pediatric-related_information_treatise.html
そのため、2学期が始まった日本でも米国と同じ状況に陥る可能性も念頭におく必要性もあると思われます。
若年者に対する新型コロナウイルスワクチンの接種の是非については、一概に判断することは困難ではありますが、以上のサイトをご覧の上、各ご家庭でご判断いただき、接種を希望される方はご予約ください。ワクチン接種の相談に関して、電話でのお問い合わせには対応致しておりませんので、あらかじめご了承ください。
なお、ワクチン接種に関しては、本人及び保護者双方の同意が必要です。当院の方針としては、接種当日に、上記の内容に目を通されていない方、接種の是非について迷われている方に関しては、接種は致しませんので予めご了承ください。
ご家族で接種の是非について十分ご検討の上、ご来院くださいますようよろしくお願いいたします。